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ジャンル・やかた 8


アッシュはパソコンと格闘していた。
スレイプニールまでは期待していなかったけど
インターネットエクスプローラーってのがない!!! 何で???

こんな時は、スタートから・・・で、どこだっけ
英語だからよくわからーーーーーーーーーん!!!
確かここを見れば、ソフト?とかあるはず。
一番下の緑の矢印のところをクリックした。

eマークは全世界共通だよね?
あ、あった、クリッククリックーーーと。
ウィンドウが開くも、何かが書いてあるだけのページしかない。
こっからヤフーとか、どう開くんだろ?

アウトルックは?
スタートから、プログラムで・・・・・
あ、あった、クリッククリックーーーと。
ウィンドウが開くも、これまた白紙のページ。
メールは1通もなく、送受信も利いてないようだ。

えーとえーとと言う事はーーーーーー
モデムとか言う箱! 何か、ないような気がするーーーーーーー
これはインターネッツには繋がっていないという事ですかーーーーーー?
ええっ? じゃあ、このパソコン、単なるワープロ?
何てこったい!

あっっっ、じゃあ、携帯のネットは?
ーーーーーーーーーーー 圏外だから繋がるわけがねーーーーーーっ!
電話! 電話は? 電話のモジュラー何たらはあるんか?

パソコンから出ているコードを辿って行くと
壁にあったのは、差込口が2個の普通のコンセントだけであった。
電話をつける余地すらない作りなんだ・・・。
じゃあ、ここの住人は電話は使わないんか?

アッシュはローズの部屋に駆け込んだ。
「あんたねえ、ノックぐらいしなよ。」
ごく当然の激怒をするローズに、アッシュは
ほんとすいませんほんとすいません、とペコペコする。

「で、今度は何だい?」
「電話はどっかにありますかー?」
「あるけど、あんたは掛けられないよ。」
「携帯電話って知ってますかー?」
「知ってるよ! 持ってるヤツもいるけど、私には必要ないね。
 ここら一体は圏外だろ、持ってても意味ないからね。」
「電話、私は何故掛けられないんですかー?」
「・・・あんたの話は前後するねえ。
 あんたが外に話を漏らすと困るからだろ。」
「じゃなくてー、えーと、ここの電話は相手先に直通なんですかー?
 それとも交換手がいるんですかー?」
「交換手・・・? うーん、聞いた事がないねえ。
 でも掛けたら相手にすぐ繋がるよ。」

うーん、よくわからない。
自分の疑問もよくわからない。
何を考えてたんだっけ?
にしても、走ったからゼイゼイだわ、あっつい。 あれ?

「・・・・・・今、3月ですよねえー?
 ここらへんの気候って、今ぐらいはもう暖かいんですかー?」
「いや、4月半ばまではまだまだ冷えるねえ。
 丘の方は雪も残ってるよ、ここいらは寒い地方なんだ。」
「でも、あったかいですよねえー?」
「セントラルエアコンとかいうやつだからね。
 1年中適温に設定されてて、館内は快適だよ。」

そうなんだ!
この館は外見は古いけど、中は最新設備が整ってるんだ!
「ローズさん、“指示” って言ってましたけど
 それってどうやって受けるんですかー?
 上の人みたいなんとは、どうやって連絡を取るんですかー?」
「ああ、そこの内部専用電話でだよ。
 あんたの部屋は、相続者専用だからないだろうけどね。」

ローズが指を差した方を見ると、ファックス付き電話機が置いてあった。
どうやら他の住人の部屋にも、これで電話を出来るようだ。
館内には、外部に繋がる電話機自体がないのかも知れない。

改めて部屋を見回すと、ローズの部屋は寝室が別になっている。
このリビングには、TVに冷蔵庫、電子レンジも置いてある。
ドアの真上を見ると、ブレーカーが4個並んでいた。
見取り図はない代わりに、空調パネルがある。

アッシュは窓に駆け寄り、向かいの建物の屋上を見上げた。
アンテナなどは見当たらない。

廊下に出て、窓の外を見る。
こっちは裏側のようで、草原が広がっていて
見える範囲の正面奥と左手に丘陵地帯、正面の丘の向こうは山
右手範囲は森が続いていて、その先は開けているようだが見えない。

食堂に駆け込み、窓を開けて上下左右を見回す。
右側は他の住人の部屋が並んでいるんで確認が出来ない。
だからここで出来る限り見ないと。
アッシュは身を乗り出して、右手側を覗き込んだ。

「おいおい、危ないよ、お嬢ちゃん。」
じいさんがオロオロして、アッシュのジーンズのベルトを握る。
アッシュが遠くに見たのは、鉄塔だった。
ダメだ、こっちからでは見えない。

じゃあ、真下だ!
「ごめんねー、ありがとうーーー。」
と、じいさんに叫びながら、アッシュは食堂を飛び出して行った。
じいさんは、あうあう言いながら、アッシュの背中を見送った。

真下、つまり東西南北を書いていない見取り図で言うフロアの南
居住区のその部分に来たアッシュは、激しく動揺していた。
ここに部屋はなく、壁もまたなく、あったのは手摺りである。

見下ろすと、昨日入って来た玄関ホールがある。
そのホールをはさんで真向かいには、また別の建物が続いていた。
ここまで大きい建物だったとは・・・。
アッシュは愕然とした。

続く。

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