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2011-11

かげふみ 2

マリーはグリス付きのメイドである。
母親のように愛し、世話を焼いてくれる。
 
長老会から派遣されているのは
語学の教師、基本教育の教師、礼儀作法の教師である。
専属護衛のリーダーはタリスであった。
 
「まだお小さいのに、勉強など・・・。」
という意見は、主の
「普通の子供と同じに考えてもらったら困ります。」
というひとことで、かき消えた。
 
この館で主に逆らえる者など、いや結構いるんだが
主の “館第一” という気持ちに逆らう者はいない。
主がそういう生き方をしてきて、現実に結果を出しているからである。
グリスには、遊びの時間も教育の一環となった。
 
 
そんな、子供にしては多忙なグリスだが
一番楽しみにしているのが、運動の時間だった。
その理由は、担当がラムズだったからである。
 
彼は館に来た頃の主と、実際に接触した人物のひとりで
運動の合間合間に、あれこれと話してくれるのだ。 
グリスは主のその “武勇伝” を聞くのが大好きだった。
 
「主様はな、そりゃ勇ましかったんだぜ
 警棒をシュッと出して、こう構えてな。」
身振り手振りで、当時の事を語ってくれるラムズ。
 
「・・・ただな、ヌケたところもあって、出した警棒をしまえないんだよ。
 あれには笑ったね。」
 
ラムズの話から、当時の館が戦場であった事をうかがい知る。
その喧騒のさなか、主が勇ましく進む。
旗を持って軍を先導するジャンヌ・ダルクの絵画のように。
 
 
グリスがそこまで主を美化していたのには理由があった。
ほとんど主の姿を間近に見られないのだ。
 
「お忙しいお方ですから・・・。」
それが周囲の常套句だったが、自分が避けられている気分であった。
その証拠に、長老会のリオンはしょっちゅう主の部屋に来ている。
 
だけどスネるわけにはいかない。
屋根がある居場所と温かい食べ物を与えてもらっているのだから
それだけでグリスにとっては、感謝して余りある事で
その上に我がままなど言えるわけがない。
 
 
「一生懸命お勉強なさっていれば
 その内に主様の右腕として、一緒にお仕事ができますよ。」
その言葉を支えに、グリスは勉強に励んだ。
 
グリスは子供だったが、自分の立場をわきまえていて
そこは確かに “普通” の子供とは違っていた。
 
 
「主様にはいつ会えるの?」
何度となく言ったこの言葉は、グリスの胸の奥にしまいこまれた。
 
 
 続く 
 
 
関連記事 : かげふみ 1 11.10.27 
       かげふみ 3 11.11.4
 
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アイマスク

私は真っ暗じゃないと眠れない。
なのに何の罰なのか、すんげえ恐がりなのである。
 
で、真っ暗でも目が慣れると、あたりの景色が見えてくる。
窓に映る木々が妖怪に見えたり、天上の節目が目玉に見えたり
薄っすらと見える方が、余計に恐いわ!
 
と、そういう恐怖体験は置いといて
夏は4時ぐらいからもう明るくなる。
そうすると、目が覚めてしまう。
 
それからはもう、ウトウトとしか眠れなくなり
夢にうなされるわ、金縛るわ
起きるべき時間に起きた時には、逆にグッタリなんだ・・・。
 
これは学生の頃からで、泊まりに来た友人が
「あんた、つらそうに寝てるよー」 と言ってたので
きっと先祖の祟りか何かだろう、と解釈している。
うん、そういう方向の考え方で良いと思う。
 
 
私は睡眠が下手で、睡眠導入剤を飲んでも
あまり熟睡できずに苦労しているんだけど
この睡眠障害、何なんだろうな???
寝不足でも疲れてても眠れないんだよー。
 
歴代彼氏は全員、5分で入眠できるヤツだったので
隣でグーグー寝られる事へのムカつきは、イヤというほど味わってきた。
が、寝られるヤツに非はないので、八つ当たりぐらいしか出来ねえ。
(八つ当たったんかい!)
 
 
眠れないと、真夜中が孤独なので薬に頼る。
強い薬も抵抗はないけれど、翌朝の体がダルいので
ギリギリ弱い睡眠導入剤にしているんだ。
 
どんどん薬の量が増えていく、“オーバードース” が恐いんで
指定量で効かない時は、さっさと諦めるよ。
薬は気合いで効かせるものなので、プラシーボを大事にする!
 
 
と、ドーピングして寝ている私だが
薬物以外にも、寝る努力はやっているぞ。
 
でも、この “寝る努力”、疲れてくるんだよ・・・。
あれダメこれダメ、あれをしてこれもして
と、制約や決まり事が増えるのは、生活のストレスになるんだ。
 
それをきっちり習慣づけるべきなんだろうけど
付かない習慣もあって、やっててどんどん気分が沈むんだ。
こんな苦労をするのと、眠れない苦労と、どっちもどっちじゃね? って。
 
 
まあ、こういうわけで、やっては止めやっては止めの
試行錯誤の日々なんだけど、アイマスク、これは続いている。
 
切っ掛けは、あずきのチカラ 10.12.24 
んで、ゆたぽん 10.12.1 
 
このお陰で、“目に何か乗せて寝る” という事を覚えたんだ。
そんで、春から夏にかけての夜明けは早い
・・・と、ここでようやく冒頭の文に繋がるわけだ。
で、それからアイマスクをずっと使ってるんだ。
 
これ、良いよな。
太陽関係なしに寝られる。
 
最初はドラッグストアで500円ぐらいのを買ったけど
それは、ホットシートみたいなんが付いてて
目を暖める効果があるんだけど
えらい薄っすらな温さの上に、数分で冷めちゃうので
正直いらん機能なんで、その分安くしてもらいたかった。
付け心地は良いんだよー。
 
左のが、そのホットシート。
多分、中身はジェル。
 
   
 
 
100均でも色々な種類がある。
耳にかけるヒモのとか、頭部1周のバンドとか
通気性がゼロのムレるやつとか (ピンクのフチのやつ)。
 
 
 
綿入りのモコモコしたやつもあって
 
 
 
これは常に真上を向いて寝られる人しか無理。
眼球がものすごい圧迫感で、エア緑内障の気分になれるかも。
 
 
でも100均のは、バンドが切れる。
500円も100円も、コスパを考えるとどっちでも良い気がする。
好きなのを買え! という、全然、使用レポートにならない意見だけど
ただひとつ、注意点がある。
 
アイマスクには裏表がある!
 
 
最初に使ったのが、どっちが表でも良い色で
うん、そう。 “色” で判断したのが大間違い。
 
朝起きると、目の周囲にアイマスクの跡がついて
それが網目模様で、仮面ライダー (初代) になって
しかもババアの肌は、型押しがなかなか取れない、ときたもんで
午前中ずっと仮面ライダー (初代) で過ごさにゃならん。
 
気付いたのは1ヵ月後ぐらい。
洗濯して干す時に、あれ、これ生地が裏表違うんだ、と。
 
片面が網目で、片面が普通生地。
正直いまだにどっちが表かはわからん。
表が網目ってどういう事?
 
でも仮面ライダー (初代) はイヤだから
普通生地の方を目にあてて使い始めたさ。
そしたら網目模様はなくなったけど
今度はゴーグル型に枠の跡がついて、ゴレンジャー (初代) に!
 
アイマスク、不眠にはとても良いんだけど
乙女の外出には害かも知れない・・・。
 
 
・・・・・・・・さっき、思いついたけど
網目、もしかして通気性の向上のため?
 
そうか、ムレを防いでくれてありがとう。
でも、それならそうと明記して欲しかったよ。
人前で顔を上げられない気持ちがわかるか?
まさか私以外の全国民は、瞬時に裏表がわかったというのか・・・?
 
あっ・・・、落ち込んできたーーー。
これぞ自爆!
 
 
 

評価:

アスカム


¥ 2,601

コメント:これ、良いかも知れない。 ・・・すまん、邪道なレビューでほんとすまん。 でもこれ、暖か面と冷え面の裏表なんだってよ! 活性炭は、カビとか防止するってよ! 年中快適に使えて臭い防止、装着したら変身しそうな勢いの付属効果だよな。

かげふみ 3

グリスは毎日、主の演説を聴きに講堂に通っていた。
それを主も確認してくれているようで
お互いに遠目ながら、目が合う瞬間は日に一度はあったわけで
それだけでも、何となく見守られている気分になるのが嬉しかった。
 
 
そんなある日、偶然に廊下でグリスは主とハチ合わせた。
「こ・・・こんにちは、主様・・・。」
顔を真っ赤にしてモジモジとしながらも
はっきりと挨拶をするグリスに、主は驚いて言った。
 
「こんにちはー。
 ・・・って、あれーっ? 英語を喋っているー!」
 
護衛のタリスが呆れて言う。
「1年ほどで普通に喋れるようになられたんですよ。」
 
主は、う・・・ と動揺した。
「もしかして、私、ネグレクトしていますかー?」
「しておられますねえ。
 もう7歳なんですよ、ご存知でしたか?」」
 
「えー? あ、ああー、そうなんですかー・・・。」
グリスの歳も知らなかった主は、考え込んでいた。
その様子を、ジッと見つめるグリス。
 
 
「・・・?
 ・・・この子は何でこんなに私を凝視しているんですかねー?」
「ああ・・・、何故だか主様がお美しく見えるようで。」
タリスは無意識にむちゃくちゃ失礼な言い方をしている。
 
「えっ、マジでー?
 教育係は何をしてるんですかー?
 正しい審美眼を持たせないとダメじゃないですかー。」
どうやら主の自分評価は冷静なようだ。
 
「グリス、口裂け女のような事を問うけど、私キレイですかー?」
主の質問に、グリスは一層モジモジしながら答えた。
「・・・主様は他のどんな人よりもお美しいです・・・。」
 
「こ・・・これは子供特有の何かですかねえー?
 目の検査とかしていますかー?」
「健康診断は定期的に行っていて、何も問題はないそうです。
 主様に滅多に会えないから、お寂しくて
 極端に美化していらっしゃるんじゃないでしょうか。」
 
タリスの無礼極まる言葉にまったく動じない主。
「うーん、子供と接するの、きっついなあー。」
 
 
その会話を聞いていたグリスが、不安そうに訊いた。
「主様は私がじゃなく、子供がお嫌いなんですか?」
その言葉は、益々主を反省させた。
 
「グリス、あなたの事を嫌っているわけではありませんー。
 私は子供が嫌いなだけですー。」
「どうしてですか?」
 
「子供は、空気を読んで私に気を遣わないからですー。
 たまに気を遣う子供もいますが
 気を遣っている様子を私に気付かせるので、イヤなんですー。」
 
 
「・・・何という理由ですか・・・。」
呆れ果てるタリスだったが、グリスには希望が見えてきた。
 
「では、私は主様の望む子供になります。
 だからどうか、お側に置いてくださいませんか?」
「そうですねー、では通常教育をしっかり身につけて
 うーん、13歳ぐらいになったら私の仕事を学びに来てくださいー。」
「あと6年・・・。」
 
 
うなだれるグリスを見て、タリスは主を睨んだ。
こんなに慕っていらっしゃるのに、主様ときたら・・・。
 
主はタリスの目を気にしつつも、グリスに語りかける。
「グリス、ちょっとよく聞いててくださいねー。」
そう言うと、タリスに向き直った。
 
「タリスさん、私はキレイですかー?」
突然の、しかも答えにくい質問に、タリスはパニくった。
今更なのは、主もタリスも気付いていない。
 
「え? あ、いや、その、人間にはそれぞれ魅力というものがあって・・・」
「そういうキレイ事じゃなくー!! 正直にー!!!」
 
主の剣幕に、タリスはつい本音を叫ぶ。
「NO! サー!」
 
つい勢いで言ってしまい、アタフタするタリス。
すぐ冷静さがなくなるところは相変わらずである。
 
 
普通に考えたら無礼討ちものだが、主はグリスに諭すように言う。
「いいですかー? これが世の中の意見なのですよー。
 あなたはまず、一般的な感覚を学ばねばなりませんー。
 それが私の教えを受ける前準備なのですよー。」
 
「主様をお美しいと思う気持ちは間違っているのですか?」
「間違ってはいないけど、変質者ですー。」
「主様、子供相手に何て事を!」
 
 
タリスは、やはり主に子供の教育は任せられない、と思い
主は、まったく今時のガキはわけわからん、と思い
グリスは、主様はお美しい上に論理的だ、と、うっとりしていた。
 
 
 続く 
 
 
関連記事 : かげふみ 2 11.11.1 
       かげふみ 4 11.11.8 
       
       かげふみ 1 11.10.27 
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お便りコーナー 4 フィギュア制作

 < 奈々 より >
 
アタシの悩みを聞いてくれ
 
『けいおん』のゲーセン限定プラモ(痛車)を複数GETしてしまった
(アタシが取りまくったんだがwww)
 
ここで問題が発生した
娘が『けいおん』にはまっていてだな。。。だから、取りまくったのだが
 
パパとアタシのどっちが、上手く作れるか!に、なっちゃった
どうやったら、良いんだ?
 
 
スペック紹介
 
パパ 粘土からフィギィアをそそこ作れる
アタシ んなん、出来るか!!!
 
パパ 絵心は無い!ってか、下手www
アタシ ペンを持たせたら、模写なら完璧!
 
パパ 塗装には、スプレーかエアブラシを使うみたい
アタシ 使えるか!そんな機械をorz
 
 
これは、VIPEERに聞けば良かったのか
いや、ここのヌクモリティに賭ける!
 
みんな、アタシに力を
 
あ、制作期間は年内です
 
 
————————-
注: このお便りは、お便りではなく、もちろんオタ寄りでもなく
   (上手い事を言った私、ブラボー!)
   単にコメント欄に書かれたのを、勝手に引っ張り込んだわけで
   書いた本人、大迷惑!
   
   ここでは、私の人望がないのを誤魔化すために
   時々そういう暴挙な偽装もしますので
   納得できなくても、了承してください。
   
   なあに、その首を縦に振れば良いだけの事よ
   ふはははははははは
 
 
アホか!
フィギュアの作り方なんぞ、知っとるヤツが
この、ババアと病人と変質者の す、巣窟 にいるか!
 
あ、みうがマニアだったよな。
ここに来てくれると、ありがたいんだが・・・。
 
 
なあ、おめえ、私がコートに13万かかってヒイヒイいってた時に
30万のダウンを2着買う、とかヌカしてなかったかあ?
 
さあ、もう、ここで私の言いたい事がわかるな?
 
作れないなら作ってもらえば良いのよ
諭吉を一個小隊ぐらい投入して!
 
 
なあに、50万も出せば
いかにも “素人が作った最高傑作” のように
見せかけてくれる業師も、いるであろう。
 
ダウンに一個小隊をかけられるなら
娘にもかけられるよな? ふっふっふ
 
でも結婚したとなると、ましてや子供がいるなら
経済事情も変わってくるよな。
(変わらんなら、金の力に物を言わせれ。)
 
 
私はこういうドス黒い意見しか出ないけど
ここの通りすがる皆のヌクモリティとやらで
おめえ、ギッチリ説教されれ。
 
あ? 何で説教決定か、って?
子供へのクリスマスプレゼント (だよな? この時期だと) で
両親が競い合うとか、とんだアボカドバナナだからだ。
 
 
ふう・・・、おめえに合わせて言うと
わけのわからん言葉しか出て来ないぜ・・・。
 
ああっ? しかも古いって?
しょうがないじゃないか、私の時代がそれだったんだからー。
 
 
心ある皆様、どうか、このアホ主婦に助言を。
心無い皆様は、ものすごく関係ない雑談を書いてキボンヌ。
 
この記事には、匿名を強くお勧めするぞ。
そうすれば、心ある人々もハメを外せるってものだ。
ほっほっほ
 
 
皆、この回の気軽さを見習ってくだサイコロステーキ。
 
 
:::::::::::::::::::::::::::
 
このコーナーは、何か言いたい人のためのものです。
 
持論でも、自慢でも、疑問でも、自分語りでも、不平不満でも、雑談でも
内容は何でも良いので、言いたい事がある人は私にメールをください。
 
メールアドレスは、ブログ管理者紹介の
あしゅ のところにあります。
メールシステムが変わりましたので、ご一読ください。
 
匿名でも無記名でも別名でもいつもの名でも構いません。
むしろ、匿名、無記名でお願い。
先入観なしに読めるし。
 
 
なお、身元がバレそうな部分や、不適切な表現
そして改行、誤字脱字の補正などはしますが
基本方針としては、出来る限り、そのままの文を載せます。
 
文自体が載せられない内容の場合は
その旨を親切丁寧に返事いたしますので、ご安心ください。
 
 
ブログの記事に載せる、という事は
ここを通りすがる誰かからの反応があるかも知れません。
 
罵倒もされる場合もありますが
それを受け止めるのも、書いたヤツの義務です。
それは覚悟しとくべきだけど、私がフォローします。
 
私の立場は、この場だけはお便りをくれた人をえこひいき、です。
それがたとえ、私の意見と違っていても、です。
 
じゃないと、わざわざお便りを書く意味がない。
なので、私にえこひいきをされたい人、お便りをください。

かげふみ 4

さすがにちょっとは反省しとんのか、主が道場にやってきた。
グリスの今の時間は、ラムズの運動の時間だからだ。
 
ラムズの本職は大工だが、主の改革の際に敷地内に道場を建てて
そこで自己流の武術などを希望者に教えているのである。
ま、早い話が、マニアの押し付け教室である。
 
 
「よお、主様、珍しいじゃねえか。」
ラムズとは結局あれっきりで、ご無沙汰である。
 
関連記事: ジャンル・やかた 17 09.10.15 
 
「久しぶりですねー。」
「いや、俺はちょくちょく講堂にも行ってたぜ。
 陰ながら応援してたんだぜえ?」
「それはありがとうございますー。
 ところでグリスの・・・、あっ、あれは三節棍じゃないですかー!」
 
壁に掛かっている武器の中から、目ざとく見つける主。
「おうよ、あれからすぐ作ったんだけど
 あんたはもう戦わない、って聞いたんでな。
 渡さずに自分で練習してたさ。」
 
「そうだったんですかー。
 で、どうですかー? 使い心地はー。」
「確かにトンファーよりは便利だな。
 攻撃範囲がかなり広がるぜ。
 ただ、相手に止められるとちょっと苦戦するが、その場合は・・・」
 
 
話し込んでいると、後ろでかすかに気配がした。
ふたりが振り向くと、運動着に着替えたグリスが立っていた。
「あっ、お話の途中で申し訳ございません。
 私の事は気にせずに、どうぞお続けください。」
 
「おう、すまんすまん、じゃ、最初はランニングな。
 おーい、タリス、今日はおまえだけで付き添ってくれー。」
 
 
タリスがグリスと一緒に出て行った後に、ラムズが言った。
「で、今日は次期様の様子を聞きに来たんだろ?」
「ええ、そうなんですよー。
 どうも妙な感覚を持っているようなんで、ちょっと気になってー・・・。」
 
「ああ、あんたをキレイだとか言うたわごとだろ?」
何故すぐに言い当てる? ラムズも大概、失礼なヤツである。
 
 
「あれはな、心配いらんよ。
 ほら、ヒナが最初に見た物を親と思い込むだろ
 あんなようなもんじゃねえのかな。」
 
「ああーーー、なるほどーーーーー!!!」
主が大納得して、左手の平を握りしめた右手でポンと叩いた。
 
「いやあ、詰め込み教育の弊害かと心配しましたよー。」
「次期様は心配いらないんじゃないのかな。
 大人並みにしっかりしてるぜ。」
 
「あの歳で大人レベル、って大丈夫ですかねー?」
「逆に、次期様が幼稚だったらマズくないかい?」
「それもそうですよねー。」
ラムズと主は、同時にはははと笑った。
能天気なふたりである。
 
 
「んじゃ、また来ますー。」
「おう、マジでちょくちょく様子を見に来てやんなよ。
 次期様がグレるとしたら、あんたの放置のせいだぜ?」
うっ・・・、と言葉に詰まりながら、道場を後にする主。
 
その数分後に、ランニングを終えてグリスが戻ってきた。
「主様はっ?」
あたりをキョロキョロしながら、珍しく大声を出すグリス。
 
「もう帰ったよ。」
「・・・そうですか・・・。」
うなだれるグリスを、ラムズが慰める。
「まあ、そうしょげんなって。
 また来る、って言ってたからさ。」
 
「・・・それは本当なんでしょうか・・・
 主様の事は、講堂以外では拝見する事すら出来ないのに・・・。」
 
ラムズがグリスの頭をポンポンと叩く。
「あんたの事を気にかけてたぜー?
 ちょくちょく来るように言っといたからさ。」
グリスの顔がパッと明るくなった。
 
 
「それにしても、ラムズ先生は主様と本当に仲良しなんですね。
 主様が熱心に先生とお話してらっしゃってましたし。」
「おう、そうよー。
 主様とは初対面の時からウマが合う、っちゅうか、意気投合したもんなー。
 この武器は三節棍って言うんだけど、主様が勧めてくれたんだぜー?
 俺はトンファー、ってこっちのこれだけど、当時これを使っててな・・・」
 
ラムズが活き活きと武器の説明をするのを
先ほどの主のように、聞き入るグリス。
 
 
こんな授業が何の役に立つのか、はなはだ疑わしいもんだが
主の話を聞くのが、現在の一番の楽しみであるグリスにとって
ラムズの授業は、待ち遠しくてならない時間であった。
 
 
 続く 
 
 
関連記事 : かげふみ 3 11.11.4
       かげふみ 5 11.11.10
       
       かげふみ 1 11.10.27 
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しっとりする日焼け止め

 花王がやりがった!!!
 
と、いきなりメーカー批判だけど
私が一押しの日焼け止めが、花王なんだよ。
 
関連記事: ソフィーナ・ボーテ デイプロテクター 10.12.17
 
これさ、SPF24 PA+++ で 2980円ぐらい?なんだ。
何で24? って思うだろ?
最初から30にしときゃ良いんだよ。
 
それを、私がリピート買いしまくってる今、
リニューアルしやがったんだよ!!!
 
 
リニューアル・・・
それは “改良” ではなく、“改悪” になってる事多し。
 
 
もう、そこにある旧デイプロテクター “とてもしっとり” を
全部買い占めたかったけど、残り1個しかなく。
 
美容部員のおねえさんに、グチグチ言ってたら
めぼしそうな日焼け止めのサンプルを貰った。
 
だけど一番欲しい、ボーテの “とてもしっとり” がない・・・。
次も多分この新しい “とてもしっとり” を買うけど
残念な事になってないと良いんだが。
 
 
ちなみに、新しいデイプロテクター、
手に塗った感覚では、さっぱりわからんだった。
 
以前も手に塗って、“とてもしっとり” を選んで
その後、“しっとり” を買って
そこで改めて、“とてもしっとり” の飛び抜けた良さに気付いたんだ。
 
そもそも、手と顔の感覚、違うじゃん。
手に塗ってわかるのなんて、匂いぐらいだよ。
伸びですら、手と顔じゃ違うと思わんかあ?
 
 
貰ったサンプルは、この3種類。
ごめん、写真を撮る前にグレイスは使ってしもうた。
いっつも何かひとつ足りん事をして、ほんとすみませんほんとすみません。
 
パウチのがボーテ、小さいチューブがアルブラン
そんで未開封の箱が、ラスト1箱の “とてもしっとり”。
 
 
 
 
・ ソフィーナ ボーテ UV乳液 しっとり
 (SPF30 PA+++ 32g 2500円ぐらい?)
 
 旧製品の “しっとり” のようなキシキシ感はないし、白浮きもない。
 けど、やっぱり “日焼け止め”。
 旧製品の “とてもしっとり” は、本当に
 普通のお手入れクリームのような使用感だったので
 どうしても、それと比べると劣る。
 
 
・ グレイス ソフィーナ UVカットミルクn
 (SPF24 PA+++ 45g 5000円ぐらい?)
 
 私が大っ嫌いな感触。
 ベッタベタなのに、妙にスルスルして
 おまけに肌の上で塗ってる端からヨレる。
 
 
・ ソフィーナ アルブラン 薬用UVプロテクトクリームⅣ
 (SPF24 PA+++ 30g 5250円)
 
 ・・・これさ・・・、良い!
 しっとりしてて、白浮きもなくて
 これぞ私が望んでる日焼け止めだよ!
 
 でもこれ、5250円なんだよー。
 日焼け止めは3000円以内で抑えたいんだ。
 
 それにこれ、SPF24だろ
 その内にこれもSPF30になって、使用感が変わるんじゃないんか?
 という懸念があるんで、これに手を出したくはないな。
 
 
私さ、花王の日焼け止めのスルスル感が嫌いでさ。
そう、ライズやグレイスのあれ。
 
なのにボーテのデイプロテクターの “とてもしっとり” のみが
しっとり以下は嫌いなスルスル感なのに、“とてもしっとり” のみが
本当のクリームのようにしっとりして、白浮きもなくて
 
何でよりによって嫌いな使用感の花王に?
と、驚愕しつつも花王を見直していたのに
何で今更のリニューアル?
だから、あれほど最初から30にしとけと!
 
・・・いやいや、リニューアル製品もきっと良いに違いない
かも知れない、だったら良いな、頼む、変わらないで!!!
 
きっと他のSPF24も、30にリニューアルされると予想。
24という数字だったのは、その時の製法上の限界だったんかもな。
 
 
SPF24で満足か、というと
私にとってはSPF50の方が恐い。
 
より恐いのはUV-Bではなく、UV-Aなんで
SPFよりPAを重視したい。
絶対にPAは+++じゃないと!
(新しいUV-Aカット表示法は、まだ把握しておらず)
 
それにSPFは30を超えたら、40でも50でも
カット効果は数パーセントしか違わないらしい。
だったらSPFは30の方が、刺激がなくて安心だと思わんか?
 
 
ついでに言うと、私は日焼け止めオンリーの粉なしでいってるが
むしろ、粉は憎い敵! のお年頃だが
日焼け止めだけだとテカる、けど粉は浮く、という人にアドバイス。
 
パフで粉をたっぷり塗って、ブラシで払い落として
水か化粧水をスプレーして、ティシューで押さえたまえ。
テカリも粉吹きもなくなるし、崩れにくくなる。
ただし、乾燥はする。
 
 
粉はフィニッシングパウダーのルース (粉末状) で
“トランスルーセント” というのが、一番自然に仕上がる。
 
厚塗りになりやすいのは
ペビーパウダー > 固形の粉 > 粉末状の粉
 
必ずしも言えないけど、平均的にしっとりするのは
固形の粉 > 粉末状の粉 > ペビーパウダー
 
これ、意外だろ?
ベビーパウダー、白浮きするわ厚塗りになるわ乾燥するわ
匂いもキツいのが多いし、その割に粒子が細かいし
(粒子が細かすぎると、肌のアラを隠せない場合が多い)
私としては、あまり良い粉には思えないんだよ。
 
でも、これはしょうがない。
本来の用途上、美容を追求してるわけじゃないからな。
ただ、ベビー用って大人には刺激になるのも多いんで
赤ちゃん用 = 肌に優しい ではない、というのは言える。
大人の肌と赤ちゃんの肌は、補うべきものが違うと思うんだ。
 
 
粉物を使わないのなら、ティシューオフかパフで押さえる方法だけど
(粉が油分を抑えるのではなくパフが油分を取る、という説もある)
ティシューで押さえても、紫外線カット効果は落ちないはず。
落ちるのは油分水分、という潤いだけだ。
 
肌の潤いを取ると、これまた肌が脂を出す原因になるので
あまりティシューや脂取り紙は使わないようにな。
 
 
 

評価:

ロハススタイル美夢工房


¥ 1,200

コメント:何故かこの商品のページに、うちのウイルスソフトが反応しやがった。 真珠と聞いてエロと考えるとは、一体いつの時代の概念なんだよ? で、真珠粉、使った事はないけど、私はシルクよりもこっちを選ぶかな。 水溶性だからデロンデロンに化粧崩れしそうだけど。

かげふみ 5

「えーっ!」
教育係の言葉に主が驚いた。
 
「グリス様は、わたくしが教えるべき事をすべてマスターなさいました。
 あとは専門教育になりますが
 わたくしはその教員免許は持っておりませんので
 教育係の交代が必要となります。」
 
「あの子、天才少年だったんですかー?」
「おそれながら客観的に申し上げますと、努力型だと思われます。
 主様、グリス様に通常教育を身に付けたら
 お側に上げる、とおっしゃったそうですね?」
 
「ああー・・・、何か言ったようなー・・・?」
「グリス様は、早く勉強をマスターすれば
 それだけ早く主様の元に来られるかも知れない、と
 寝る間も惜しんで努力なさっていました。」
 
うあちゃーーーっっっ
 
主はウカツな言葉を後悔した。
勉強うんぬんじゃなくて、年齢の面で
ガキのおもりは自分には荷が重い、という意味だったんだけど・・・。
 
 
書斎で頭を抱えていると、ジジイとリオンが入ってきた。
「・・・ノックもなしですかいー。
 って、おふたりとも、何でここにいるんですかー。」
「いつもの徘徊じゃ。
 そんな事はどうでもよい。
 話はすべて聞かせてもらったぞ。」
「何の刑事ドラマですかいー。」
 
案の定、ジジイは主を非難し始めた。
「大体、あんたが相手をしないから、こういう事になっとんのじゃろうが。
 連れて来といて面倒はみたくないなぞ、ひどすぎんか?」
 
「面倒は普通、専門家がみると思うじゃないですかー。
 館の方針は毎日の私の演説でわかるはずですしー
 ある程度大人になったら、執務系は教えるつもりでしたしー
 まさかそこまで私に固執するとは思いませんでしたよー。」
 
主が泣きを入れると、リオンが擁護した。
「そうでーす、大事な人格形成の時期に
 この主の側に置いとく方が危険でーす。
 マトモな専門家に任せたのは正解でーす。」
主は無言だったが、イライラしてきているようだ。
 
 
「で、どうしますー?
 10歳で高度な教育とか、良いもんですかねー?
 それか、今更普通の学校に入れるとか、アリですかねー?」
「教育の方は、本人の希望を取り入れて考えるとして
 結果を出したんじゃから、それに応えるのが義理じゃないかえ?」
「・・・ですよねえー・・・。」
 
「あの子を、“普通の子供” として育てなかったのはあんたじゃろ。
 現に普通の子供じゃなくなっとる。
 “子供” として接する必要もないんじゃないか?」
 
その言葉に、主は気が楽になった。
「ああー! それもそうですよねー。
 さすがジジイー! ムダに長生きはしてませんねー。」
「あんたは・・・・・・・」
 
 
「私が思うに、ニッポンのマンガやアニメを見せて
 情操教育をするのはいかがでしょーう?
 どれも正義と人情あふれる内容で感動しまーす。」
リオンの提案に、主もジジイも呆れ果てた。
 
「アホかー!
 それでいったら、私らは完璧に悪役側なんですよー?
 ヘタに正義感を持たれて敵に回られたら、たまらんわー!」
「おーう、そうでーした。
 大抵のマンガじゃ大金持ちも悪ですから、私もヤバいでーす。」
 
「相変わらずの金満家ぶりじゃな・・・。」
「血筋が良いのに、ここまで下品ってのも珍しいですよねー。」
「恐れいりまーす。」
 
「「褒めてないから!」」
主とジジイが同時にビシッとリオンの胸をはたいた。
 
「・・・わしら、何のかんの言っても息が合うとるのお・・・。」
「はいー・・・、ですが、何故かそれが不愉快なんですよねー・・・。」
 
 
暗く沈んだ書斎の空気を読まずにブチ壊したのは、リオンであった。
「何はともあれ、グリスの次期主養成開始のお披露目を
 長老会でしましょーうよ。」
 
「そうですねー、責任は皆でおっかぶりましょうー。」
「・・・あんた、とことん逃げ腰じゃな。」
 
ジジイの的を射た突っ込みを、主は聴こえていないフリをした。
 
 
 続く 
 
 
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       かげふみ 1 11.10.27
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       小説・目次 

耳が悪い人

ちょくちょく書いているけど
私は人の半分ぐらいの聴力しかない。
 
その聴こえ方も、通常の人は山型の波形の聴こえ方なのに
私は谷型で、人の聴こえない雑音が聴こえるらしい。
 
そんで、人の声が一番聴こえにくく
他で音がすると、聴きたい音が聴こえないそうな。
 
ああ、別に気を遣わんで良いぞ。
私に何ひとつ不自由がないよう、便宜を図ってくれるだけで良いから。
それを、“気を遣う” と言うのだろうけどな。
 
 
自分の耳が悪いなど、気付きもしなかったよ。
だって、耳が良かった事がなく
ずっと、これでやってきたからである。
 
何でこんな聴こえにくい放送をするんだろう?
とかは思っていたけど
(例: TV番組 映画 駅のアナウンス 診察の呼び出し 等)
聴こえてないのが、私 だ け だったとは!
 
いやあ、世の中、とんだドンデン返しがあるもんだなあ
と、言われんと気付かんだったくせに
いきなり被害者ぶって、己の不遇を嘆いても良いんだけど
世のため人のために生きているのが、私!
 
今日は、耳が悪い人の見分け方を伝授しよう。
なお、これは私の経験に基づく説なんで
当てはまらん場合もあるのを
 
・・・というか、私の話は全部、半分程度に聞いてくれ。
それこそ、私の聴力レベルで。
もう、これ、ここのお約束な。
 
 
耳が中途半端に悪い人は、まず 「聴こえない」 とは申告しない。
何故ならば、そのひとことが空気を変えるからである。
 
いわば、酒の席で酒を飲まないヤツが
「しらける」 とか言われるのと一緒。
健康問題なんだから、それとは別、と思うのは甘ーい!
善人ぶってても人権人権言ってても
自分に関係してくる事となると、世の中案外冷たいもんよ。
 
 
まあ、これも一部の話で、また他の一部では違う。
耳が悪いと宣告されてから、図々しい私はいかにも障害者ぶって
「すみませんが、耳がちょっと悪いので聴こえやすくお願いします。」
と、ここぞとばかりにお願いした。
だって実際に聴こえにくいんだもん。
快適に生きたいじゃん。
 
そしたらそれが全然、快適じゃないどころか
逆にとても恥ずかしい目に遭わされる。
 
「耳が悪い」 の前に 「ちょっと」 と付け加えてるのに
人々は私がほぼ聴こえないかのように
大声を張り上げて語りかけるのだ。
 
ほら、よく老人とかに怒鳴ってるじゃん。
「いーい? これはこうでこうですよー? 聴こえますかー?」
 
あれをやられるのだよ、純粋な善意で。
しかも目の前で。 近いって!!!
 
すいません、そこまで聴こえないわけじゃない、と言うと
まるで騙したかのような目で見られる。
 
ほんのちょっとだけ、聴こえやすく、というのは
理解されない、と思って良い。
私自身、どの程度の音量が必要かなんてわからないしな。
 
そこで 世直し として、“耳が悪い人の見分け方” だよ。
自分に有利になる事には、労を惜しまんよ、私はー。
 
 
 ・ やたら近付いて聞く
 ・ やたら顔を見つめる
 ・ やたらジッと口元を凝視する
 ・ 首をかしげている
 ・ 手を耳にやる
 
 ・ おどおどする
 ・ キョトンという表情をする
 ・ あさってな返事をする
 ・ うんうん、と返事をするだけ
 
 ・ 特定の人の話には返事をするだけ
 ・ 喋り方がおかしい
 ・ 声がデカい
 
“近付く”“見つめる” 等は、聞く事に集中しようとしている動作。
“首をかしげる”“手を耳にやる” のも
聴こえる方の耳をフルに使おうとしているわけだ。
 
“おどおどする” のは、聴こえなくて動揺している時
“キョトンとする” のは、聴こえていないのもわかっていない。
え? 今何か言われた? 風に。
 
“あさってな返事” は、無理に会話をしようとしている。
“うんうんだけ” は、もう聞こうとするのを諦めている。
 
 
そう、耳が悪い人は、聞くのを放棄するようになる。
理由は、自分が話してる時に、いちいち 「え?」 と言われてみい
それか、常にその人とは大声で話さなくちゃいけない
このどっちも、嬉しい状況じゃないだろ?
 
「聴こえない」 と口にするのは
自分の欠点をさらけ出すのと同時に
相手の喋り方が悪い、と言ってるも同然なんだよ。
 
決してそういう非難をしているわけじゃないんだけど
事態をややこしくしているのが
実際に聞こえにくい喋り方をする人がいる、という事実。
“特定の人には返事だけ” の理由が、これ。
 
小声、音がこもる、早口、これらが主な理由だけど
それを自分の耳のために直せ、って要求できないだろ?
 
結果、耳が悪い人は、その場をとりつくろう事に腐心する。
その内に、人付き合いがつらくなる。
孤独になる。
 
 
補聴器をつけりゃ良いじゃん、と思うだろうけど
補聴器が合わない人もいるんだ。
 
うちの両親も、なかなか順応できず
しかも良い補聴器は数十万してた。
そんな金額、ホイホイ出せねえよな。
 
それをうちの親は調整調整、あげくが 「合わない」 と放置。
次は兄が耳が悪くなったら、それを使うんだと。
えらい高価だったんでもったいない、ってのが理由だと。
 
何のための個人個人に合わせた調整やら。
しかも数十年前のを調整しろ、とか無茶も甚だしい。
うちの兄、耳を調整する前に脳みそを調整してほしい・・・
 
とか言わないよ、お兄ちゃん。
たったふたりの兄妹だもん
助け合わなくても、罵り合うのは止めとこうね!
 
 
そして私がこのタイプかも、と医師に言われたんだけど
補聴器をつける事で、耳が依存するみたいになって
更に聴力が落ちる可能性がある人もいるんだって。
 
要するに、甘えっ子さんなわけね。
はい、石を投げつけるのは止めてくださーい。
 
このように、聴力の矯正はなかなかデリケートな問題っぽいんで
気軽に 「補聴器をつけたら?」 とも言えないのが現状なんだ。
だから見分け方以下同文。
 
 
“喋り方がおかしい” は、私の例。
私は幼少時に言葉を喋れなかったらしいけど
今になって思えば、耳が悪い事と関係している可能性がある。
 
聴いた事のない歌は歌えんだろ?
聴こえてない言葉を発音する事は出来ない。
 
おそらくは生まれた時からこうだっただろう
と、聴力検査をした時に、医師に言われたんだけど
それは、私の喋り方を聞いて判断したようである。
 
私は “口蓋裂傷” という、喉仏が避ける奇形を持ってるけど
それでは、“口が利けない” という症状は見当たらないので
他にも何かの障害があるんだと思う。
 
 
世の親御さんたちに、よく考えてほしい。
子供に酷な事実があっても、教えてあげるべきだと思う。
だってそれを背負って生きていくのは子供自身だから。
 
うちの親は、訊いてもはぐらかし
恥じる必要はない、と言い、悩むのを愚かだと嘆いた。
そして私に何も教えずに死んだ。
 
もし教えられて私が覚悟できたか、っちゅうと
それはわからんけど、それで潰れるのも自分次第だしな。
 
潰れてほしくないから、親は言えないんだろうけど
支える事、強い心を持つ事を教えられる可能性もあった。
私の場合、支えてくれたのは友人だった。
だから今度は、私が恩返しをしようと見分け方略。
 
 
最後の “声が大きい”。
これも私由来の情報。
 
声が大きいのは、うるさくしても隣近所に苦情を言われない田舎者
だって、お隣は数km先、とか。
それか耳が悪い人。
私はその2つを兼ね備えた、選ばれた民である。
 
耳が悪い人は、聞こえにくいので
他の人も同じように聴こえないんだと思い込んで、大声で喋る。
 
工事現場にいる人からの電話の声は
周囲に音漏れするほど大きいだろ?
そっちはうるさいかも知れんけど、こっちは静かだっての。
 
それと、無意識に世界全体の音声ボリュームを上げよう
として大声になるのかも知れない。
これは悪気じゃなくて。
 
 
「聴こえない」 と、何故言えないのか?
それはおめえが歳を取って聴こえなくなったら、わかる。
世の中が自分規格じゃない事に、なかなか文句は言いにくいんだ。
 
人と違う、という事で生じる不便さも
長々と生きてきたら、雰囲気で学んでいる。
 
 
だから 「聴こえない」 と言わない人は、気を遣う善人。
普段より少しだけ大きい声で、ゆっくりと話してあげよう。
 
気を遣ってる事を気付かれないように、さりげなく
くれぐれも、あまり相手の目を見ないで。
気遣われる事で、傷付く人もいるんだ。
 
 
あ、私は気遣い、同情、憐れみ、大歓迎だぞ。
偽善だろうが上っ面だろうが
相手にしてくれるなら何でも良いよー。
 
・・・この言葉の悲しさに気付いたらダメだぞ。
 
 

評価:

トーラス


¥ 664

(2008-02-18)

コメント:なあ、これ、商品名を見た瞬間、ものすごくショックを受けなかったか? えっ? 耳まで臭う場合があるんか? と。 加齢臭に敏感なお年頃の私には心臓破りなネーミングだよ・・・。 でも安心せえ。 これは犬猫用だって。 わざわざ貼ったのは私の動揺を皆にも味わってほしくて今は反省しているほんとすみません。

かげふみ 6

「勉強を頑張ったようですね。
 10歳でハイスクールの課程まで終わらせるとは凄い事です。
 それで今後の学業の方針を話し合いたいのですが、希望はありますか?
 学校に通って、同じ歳の子たちと友達になるのも良いと思いますよ。」
 
2度目の長老会会議室には、ほぼ全員のメンバーが揃った。
ジジイも主もリオンもいる。
テーブルの端に座らされたグリスは、緊張しながらもはっきりと答えた。
 
「勉強の方は、少しペースを落として
 教養の一環として、先に進んでいきたいと思っています。
 学校は、相応の年齢になってからの大学進学を考えています。
 私の役目は主様の跡を継ぐ事なので
 主様のお側で、館の事を重点的に学んでいきたいのです。」
 
 
おおーっ、と、どよめきが起こった。
何てしっかりした子なんだ これなら安心だ の声が上がる。
 
「いやあ、この主が連れてきたから心配しとったが
 こんなに利発な子だったとは、良かったですなあ。」
太っちょ紳士の言葉に、主が格好をつけてフッと笑う。
「天才は天才を呼ぶものですよー。」
 
「天災もどきが何を言う!」
「そもそも、きみは教育に関わってないだろう。」
「今後も頼むから、なるべく大人しくしとってくれ。」
四方八方からの罵倒にも関わらず、主は涼しげに茶をすすっている。
その貫禄ある姿に、グリスは見とれてしまう。
 
 
「では、次期主様と話し合ったこれからの方針ですが・・・。」
リリーが事務的に資料を読み上げる。
「学業の方は、週2回の一般教養と、週1回の専門教育
 運動はこれまで通り毎日
 新しく加わるのが、元主様による “館講座” で
 館の歴史などを知ってもらう目的です。
 その他の時間は自由時間とし、住人たちと触れ合うも
 主様のお仕事を観察するも、ご本人の自由といたします。」
 
「うむ、それで良いでしょう。」
メンバーたちは納得したが、主から異議が出た。
「ちょっと待ってくださいー。」
 
「何だね? 何か不都合でもあるかね。」
「はいー。
 あまりにも出来すぎな子ですので、歓迎されているようですが
 次期主になる事の真の意味を、皆さんにも本人にも
 もう一度よく考えてもらいたいのですー。」
 
 
主はグリスの方を向いて、問いかけた。
「主になるという事は、館のために人生を捧げる事なのですー。
 己を捨てなければなりませんー。
 あなたにその覚悟があるのですか-?」
 
「ちょっと待ってくれ、きみがいつ己を捨てたかね?」
メンバーのひとりが、容赦ない突っ込みを入れた。
「はあー? 私、すんげえ自分を捨ててるじゃないですかー!」
 
メンバーたちから、再び口々に非難が殺到する。
「あれでかね!」
「わしたちには言いたい放題じゃないか。」
「ちょっと言えば3倍にして返すくせに。」
 
主がいきりたつ。
「アホかー!
 館じゃ四六時中、善人ヅラしてるのに
 ここでまでそんなんやっとられんわー。」
 
「館じゃ本当に立派にやってるのかね?」
メンバーがリリーに訊ねる。
「え・・・、まあ、“主様モード” というのはあるようですが
 ご本人がおっしゃるほどの態度の違いはないですね。」
 
「ええええええええーーーーー?」
「ほら見ろ、きみは常にきみなんだよ!」
 
 
うぐぐ、と言葉を詰まらせる主を見て、グリスがふふっと笑った。
キッと睨む主に、慌てて謝る。
「あっ・・・、すみません。
 主様は本当に皆様に愛されていらっしゃるんだなあ
 と思って、つい・・・。」
 
その言葉に、その場にいた全員が異論を唱えた。
「冗談じゃない!」
「今のは主に注意をしていただけなんだよ。」
「こんな凶暴な女は願い下げだ。」
「我々は職務としてやっているだけなんです。」
 
「ちょっとー・・・、今どさくさにまぎれて
 誹謗中傷をしたヤツがいませんでしたかー?」
主が目ざとく追求すると、メンバーの全員が四方に目を逸らした。
 
クスクスとグリスが笑う。
「ほら、やっぱり愛されていらっしゃるじゃないですか。
 大人の世界では、言いたい事を言い合えるのは
 本当に信頼し合った仲じゃないと出来ない、と習いました。
 皆様は主様を信頼していらっしゃるんだと、お見受けします。
 さすが主様、私の誇りです。」
 
全員が呆然とする。
「言いたい事を言ってるのは、主だけだと思うが・・・。」
「私らは言いたい事の半分も言わせてもらえていないんですがねえ。」
 
 
「・・・にしても、彼の崇拝ぶりは凄いですね。」
「こんな少年まで毒牙にかけるとは・・・。」
同情の目をグリスに向けるメンバーに、主が溜め息をつく。
 
「いや、私だってまさかこんなになるとは思っていなかったですよー。
 ほんと、この子のこの盲信には参っているんですよー。」
「え・・・、ぼくがお慕いするのは、主様に迷惑なんですか?」
 
泣きそうな顔をして訊くグリスを見もせずに、主が答える。
「だって好いてくれてる人の期待は裏切りにくいでしょうー?
 良い人ぶらなきゃいけなくなって、すんげえ疲れるじゃんー
 面倒なんですよねー。」
 
その言葉をメンバーが注意する。
「その言い草はあんまりじゃないかね?
 言いたい事はわかるが、相手はまだ子供なんだよ。
 大人として、もうちょっと考えて発言すべきだろう。」
 
「この子は私の跡継ぎ候補なんですよー。
 良い事も悪い事も知っておいてこその、尻拭い要員でしょうー?
 だから、この子にだけはウソやキレイ事は言いませんー。」
 
「そ、そういう教育は、どうかと・・・。」
戸惑うメンバーに、グリスが答えた。
「皆様のご心配には、感謝いたします。
 ですが、ぼくの人生は主様に与えて貰ったものです。
 ですから、主様のすべてを受けとる覚悟をしております。
 主様がどんなお方でも、ぼくの尊敬に揺らぎはありません。」
 
 
無言になったメンバーの心情を、主が代弁した。
「ほんと、すいませんー。
 ある種のモンスターを作っちゃいましたー。 あははー。」
 
はあーーー・・・、と頭を抱えるメンバーであった。
 
 
 続く
 
 
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       かげふみ 1 11.10.27 
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       小説・目次 

いらないサプライズ

「喜ばない」  と責められた事が数度ある。
全部、元彼にである。
 
それもそうだろう。
友人知人レベルでは、この指摘はしにくい。
現に言われた後に、ケンカになった事もある。
 
 
イベントだのサプライズだの、女は面倒くさい
というのが世の常識だが
私から言わせると、男性の方がよっぽどメルヘン脳である。
誘い受けもひどい。
 
プレゼントを渡す直前になって、「○○系って好き?」 と訊く。
そしてそこで、悲劇にもって行くのが私である。
 
例えば、「ネックレスとか、何でいつもしてないの?」
「嫌いだから。」「え・・・。」
 
はあ・・・・・
その後に渡された箱のラッピングをほどいたら
当然入っているのはネックレス、と思うだろ?
だがペンダントだったのは、素人男性だから突っ込まない。
けど、
 
私 は 喜 ば な き ゃ な ら ん の か ?
 
 
そりゃ喜ばにゃならんだろうな。
でもな、私にも言い分はあるぞ。
まず私の嗜好を、せめて好きなものぐらいはリサーチせえ!
 
どの世界で一般的に外れがない贈り物になってるのか知らんが
花、ぬいぐるみ、人形、アクセサリー
私は大大大っっっ嫌いなんだよ!!!
 
化粧品を贈っておきゃ間違いないんで
簡単だと思うんだが、それだと面白くないんだと。
自分が “サプライズ” じゃないんだと。
 
 
その自己満足を理解してあげるのも、“付き合い” だよな。
うん、そんぐらいわかる年頃になってきたんで
波風を立てないようにはしているつもりだが
 
そ れ を 買 う 金 を そ の ま ま く れ
 
これが世の人々、老若男女の総意だよな?
本音はこれだよな?
そんな、自分の好みドンピシャのサプライズって
一生に数度ぐらいのレベルの奇跡だよな?
 
 
さて、何をイラ付いているのか、というと、別に何もない。
ただ、つい最近、「喜んでいる時って、そうなんだー?」
と言われて、昔の事を思い出しただけなんだ。
 
私にプレゼントをして、それが本当に嬉しくても
「うわあ、ありがとうーーー!!!」 と、はしゃぐのは
私の素の表現ではない。
 
グヘッとニタリ笑いをするだけ。
でもよく観察していると、事ある毎にそれの方向を見ている。
これが私の自然体での、最大級の喜びの表現なのである。
気色悪い事この上ないが、私はテンションが低い人間なのだ。
 
だけど、こういう態度ではあまりに失礼なので
感謝の気持ちとともに、うわあ、ありがとうーーー! と
大げさに喜びを表現しているけど
わざとらしくないか、とってもヒヤヒヤする。
 
 
嬉しいんだけど、表現は相手に合わせて無理をするのが疲れる。
私って人格障害かも、とか思いつつも
何とか社会で浮かないように、努めてきたつもりだったが
「喜んでいる時って、そうなんだー?」 と言われて
えっ? 全バレしてた? と、愕然とした。
 
どうも、満面の作り笑顔の 「ありがとうーーー!」 の後に
数秒して、ニタッと笑うか笑わないかで
喜んでいるいないの判別をされたようである。
 
 
・・・笑ってたか・・・。
良く言えば、正直っちゃあ正直なんだけど
心情ダダ漏れは困るよな。
そんで世間の人って、観察眼が鋭すぎるよな。
 
にしても、数秒後の笑み・・・。
そこに注目するなんて、凄すぎ!
 
 
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評価:

LA CHERE


¥ 680

コメント:私の人生に、これほどいらない物を初めて見た!!! 私にこれをくれる人がいたら、その勇気に逆に尊敬してしまうかも知れない。 その後、最大の敬意をはらって全力で攻撃させてもらうがな。 ・・・にしても、こいつの存在、ほんと奇跡と言っても過言じゃないぜ。 何に必&

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