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2011-02

亡き人 23

「きみが長野くんかね。
 拓也から話は聞いているよ。
 今までの拓也の友達とは、ちょっと違うタイプだね。」
 
和室の座椅子に、どっしりと腰を下ろした和服の男が
山口の父親である。
 
「やだなあ、おやじぃ
 俺もいつまでもチャラチャラしてねえよぉ?」
とても軽そうに、山口が言う。
 
「初めまして、長野と申します。
 今日はぶしつけなお願いで、恐縮なのですが
 どうかよろしくお願いいたします。」
太郎が丁寧に頭を下げる。
 
 
「ふむ・・・。
 わしに異存はないよ。
 ただ友人間とは言え、お金の問題はきちんと話し合いなさい。」
 
山口父が、茶碗に手を伸ばしたその時、和室に声が響いた。
 
「アルゼンチーーーン!」
 
ゼロが唐突に出現したのである。
「あっ・・・、目まいが・・・。」
ヨロけるゼロ。
 
 
「ちゃんとご挨拶できてるか心配で、様子を見に来たのよ。
 へえー、とうちゃん、和服ダンディー!
 海原雄山風味じゃーん
 チャラ男の親にしては意外ー。」
山口父を四方からジロジロ眺め回すゼロ。
 
「あ、太郎、手土産は何を持ってきた?」
無言で固まる太郎。
「返事できないよね、こういう状況じゃ。
 ・・・って、あれ?」
 
ゼロが左右にフラフラする。
「何か雄山とバッチシ目が合ってるんだけど・・・。」
 
山口が言った。
「俺のオヤジだぜー?
 霊感あるに決まってるじゃーん。」
 
「えっ・・・」
ゼロも固まる。
 
 
「あっ、そ、その、ご挨拶が遅れて失礼いたしました。
 わたくし、息子さんたちと親しくさせていただいてる霊で
 ゼロと申します。
 多分、霊障とかないので、ご安心いただければ幸いだす。」
 
動揺のあまり、カミながらも土下座するゼロ。
太郎は真っ青だが、山口は能天気にゲラゲラ笑い転げている。
 
 
「ごめんーーー、太郎ーーー
 私、最近、太郎の邪魔ばっかりしてる気がするーーー!」
 
ゼロは部屋の隅っこに向かい、シクシク泣き始めた。
「だから、そういう仕草も
 霊だとほんと恐いんで、やめてくださいって!」
太郎がゼロに怒る。
 
山口パパは、ただ呆然と目を丸くしているだけだった。
 
 
 続く。
 
 
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      亡き人 1 10.11.17  

携帯ロック

アルフォート食べ比べ 11.1.27 の記事で
コメントんとこで携帯の話が出た。
携帯を失くしてものすごく慌てた、という話で
携帯の中には財産がある、と話し合っていたんだ。
 
ところが、TVでやってた
“浮気を見つける方法” の中に
携帯関係の事がやたら多く含まれててな。
 
 ・ 携帯を肌身離さず持っている
 ・ トイレにも携帯を持っていく
 ・ 携帯の通話は部屋の外に出る
 ・ 携帯を伏せて置く
 ・ 携帯にロックを掛ける
 
他は覚えてないけど
とにかく携帯の行く末が、浮気の目安らしい。
携帯、浮気発覚グッズのようである。
 
 
“携帯を伏せて置く” ってのは
携帯の小窓にお知らせが出るからなんだと。
私の携帯には小窓がないんで、へえ
と言うか、これら全部が私にとっては、へえ、だよ。
 
浮気うんぬんは、ともかくもさ
携帯にロックを掛けるのを、怪しい扱いしたらダメだろー。
そういう風潮を作ると、失くした時に被害が大きくなるぞ。
 
私は携帯に常時ロックを掛けている。
それを周囲の人にも勧めている。
それは、知人の体験談を聞いて震え上がったからである。
 
 
ある人が携帯を失くした。
数日後、その失くした携帯は戻ってきた。
 
ホームレスが、不似合いな携帯を持っているのを
警ら中の警官が不審に思って、職質したところ
「拾った」 と言ったらしい。
 
携帯にはロックが掛かってなかったので
すぐさま持ち主に連絡が付いたらしいけど
失くしたと気付いて、携帯会社かどっかにストップ掛けたけど
通話、結構使われてたってさ。
 
カードなら保険が利くけど、携帯はどうなんかな。
この話、かなり前の話の又聞きなんで
あまり参考にはならないかも知れないけど
以来、私は携帯にはロックを掛けっぱなしにしているよ。
 
 
でもさ、ロック、すんげえ面倒くせえんだ。
私の機種は、電話が掛かってきた時だけ即出られるんだけど
その他の機能は、いちいち暗証番号を入力せにゃならんのだ。
 
これ、“ロック” の意味からして
至極、当たり前の設定だとはわかってるんだけど
もう、ほんっっっと面倒くせえんだよーーー。
 
でも、外では携帯ロックして
家の中ではロック解除、ってのも、面倒くさい。
 
私の場合は、ほとんど携帯を使わないので
もう、いつでもどこでもロック掛けっぱなしなんだけど
それでもたまに使う時には、えれえ面倒くせえ。
 
 
ほれ、カップ麺とか、何で粉と具が別袋なんだよ
どうせ全部ブチまかしてお湯を入れるんだから
最初から麺の上にまぶしておけよ、と思うじゃん。
 
いや、カップ麺も事情があるのはわかってるんだよ
保存とか衛生面とか、メーカーも色々工夫してくれてるんだと。
でもカップ麺を開ける度に、やっぱり袋を憎んでしまうんだよ。
その袋がまた破りにくかったりすると
腹を減らして美味さを増そうという魂胆か!
とか、実際に腹が減ってるんで、邪推がものすごい事になるんだ。
 
こうやって書いてる今は、自分どんだけズボラなんだよ
と、我ながら呆れるんだけど
とにかく空腹時に殺気立つのは、生き物のサガだよな。
 
そういや、飯の時に
・・・とか関係ない話題に逸れるのは大概にして
えーと、何だったっけ・・・?
 
 
あ、ロック!
普通に携帯を使っている人は
私とは比べ物にならないぐらいに面倒くさいだろうけど
ロックだけはしとくべき!
 
浮気を疑われる状況ならば、ロック番号を共有すりゃ良い。
だけどその場合、ちゃんと忠告しとくんだぞ。
「この携帯の暗証番号を知ってるのは、おまえと俺だけだ。
 だからもし、何か不具合が起きたら
 おまえが疑われる事になるのは、覚悟しといてくれ。」 と。
 
人と重要事項を共有するのは、責任が付いて回るんで
これにグダグダ言うヤツは、説教してやれ。
そんな責任感のない人間だと、後々いらん事をやらかしそうなんで
きっちり教育すべきだな。
 
こう言ってる私が、様々にやらかしてる理由がわからんが
世の中そういう宿命もある、という事かな、ほっほっほ。

亡き人 24

「別に霊がいたって良いだろお、おやじぃー。」
巻き舌発音で、山口が無重力すぎる発言をする。
 
「良いわけねえだろ!」
激怒したのはゼロだった。
実父を差し置いて。
 
「普通は霊とかいちゃダメなの!
 てか、多くの人には霊は見えないの!
 まったく、おめえは無防備発言が多すぎるんだよ
 そういうのは世間からは、“ちゃんとしてない” と見なされるんだよ。
 いい加減、まともな感覚を持て!
 このクソバカチャラ男!」
 
 
山口に向かってギャアギャア怒鳴るゼロを、太郎がたしなめる。
「あの、ゼロさん、おとうさんの前なんで・・・。」
 
その言葉に我に返ったゼロは
再びズザザザと後ずさり土下座をした。
「すっ、すいませんーーー!
 ほんと、すいませんーーーーーー!!!」
「おやじぃ、ゼロさんには悪気はないからさあ。」
 
 
山口パパは、どう反応して良いのかわからない様子だったが
やっとか細い声を出したが
「ま、まあ、おまえたちの好きにしなさい。
 わしはちょっと、まあ、その・・・。」
と、語尾をむちゃくちゃ濁しつつ
ヨロヨロと部屋を出て行ってしまった。
 
「んじゃ、お許しも出た事だし
 さっそく引っ越す準備をしようぜー。」
山口の言葉に、ゼロと太郎が同時に叫んだ。
「「良いんかい!!!」 ですか!!!」
 
 
太郎におぶさりつつ帰る道すがら
ゼロは謎がひとつ解けた気がした。
 
チャラ男のフルネームって、山口拓也なんだ?
スマップかトキオかどっちなんだ? って突っ込まれそうだよな。
太郎の名前を笑わなかった理由はこれかな。
 
でも太郎の場合は、間違いなく親のセンスが悪いけど
チャラ男は、単に不運なだけだよな。
山口拓也、普通に良い名前じゃん。
 
 
名前・・・
ゼロはふと考えた。
 
ふざけて名乗ったゼロという名前だけど
よく考えてみると、虚しい響きだ・・・。
 
そもそも、私の本名は何なんだろう。
何も覚えていない割に、知識は残ってたりする。
霊ってこういうものなんだろうか?
てか、私ってちゃんとした霊なんだろうか?
 
 
「何を考えてるんですー?」
太郎が話しかけてきた。
その声に心配の響きを感じたゼロは、何だかホッとした。
 
「ううん、別にただボンヤリしてただけー。」
ゼロは太郎の肩にギュッとしがみついた。
 
ら、ズルッとすべって、太郎の腹からゼロの上半身が出る形になった。
「何をやってるんですか!」
怒る太郎を、ゼロが逆なでする。
 
「ふはははは、寄生虫型エイリアンだー。
 腹を食い破って出てきたぞーーーっ。」
 
 
もう、やめてくださいよー、と嫌がる太郎と
太郎の腹から体半分を出して、ユラユラ揺れるゼロ。
 
アスファルトに伸びた影は、ひとり分だけだった。
 
 
 続く。
 
 
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      亡き人 1 10.11.17  

ファッションと危険

ババアになって、ようやくわかった真理。
 
 おしゃれは危険を伴う
 
コメントで、「口の開いたバッグは危険だ」
という注意喚起を、海外育ちの人からもらった。
それを読んで、目からウロコだった。
 
 
ポリスメールを受信してわかる事は
ひったくりと痴漢がものすごく多い事。
空き巣も多いけど、それは予想の範囲内だった。
 
驚くのは、ひったくりと痴漢。
うちの近所でも、すんげえ多発している。
 
(以前に書いた記事 ポリスメール 10.12.27 の後
 私の設定ミスか、書式が変わったんか知らんけど
 ちゃんと私にも有用な情報を受信できるようになったんだ。
 警察の人、どうもありがとうーーー。)
 
 
バッグは出来れば、体にフィットするように
斜め掛けや背負うといった着用で
口がきっちり閉まるものを、と言うのは
防犯上でも言われている。
 
でも、デザインで選びたいよな、バッグ。
斜め掛けがアホみたいな状況もあるし
リュックは移動には良いけど
合わないファッションもあるし。
 
だけど現に、大勢がひったくられてるんだよな。
鉄道系情報はポリスメールでは来ないけど
この分じゃきっと電車内でのスリも、思うよりも多いぜ。
口の開いたバッグ、良いカモだろう。
 
 
服も、やっぱり露出過剰なのって
男性の性欲をあおるのが現状だと思うんだ。
 
中にはピッシリ隙のない格好にムラムラ
とかいう人もいるだろうけど
今回は、そういう人は少数派って事で頼む。
 
だったらどういう服が安全なんだ? となるから
大多数のデフォ欲情状況を前提に言わせてくれ。
 
 
男性の性欲ってさ、女性にはよくわからんだろ。
私もよくわからんけどさ
100人いて、99人は踏み止まれるけど
必ず1人は、ブレーキが利かないヤツがいるんだと思う。
 
それが1000人中1人なのか、50人中1人なのか
割り合いはわからないけど、絶対に存在するんだろう。
父親や夫や彼氏はそれを心配して、小うるせえ事を言うんだろうな。
 
 
そんでもし、コトが起きても
命に別状がなければ、事件にすらならない。
つまり泣き寝入りである。
 
ポリスメールは、一応警察が取り上げたものだから
事件として認識してもらったものであって
それは氷山の一角だと思っておいた方が良い気がする。
だから、自分が被害者になる確率は
想像以上に高い、と思って間違いない。
 
 
女性は、好きな格好をして好きなバッグを持てば良い。
誰でもそうする権利があるからな。
だけど、権利あるところには義務も発生するんだぞ。
自分の身は自分で守るんだ。
 
要は、裸同然で歩きたいから
その分、きっちりガードはしますよ、と
気合を入れろ、っちゅう話だ。
 
 
・・・いやな、痴漢とかの狙いって、よくわからんだろ。
どんなに防御しても、家に忍び込まれたら終わりだし
正直、どうすりゃ正解なのかがわからんのだ。
 
だけど裸同然だと、危険度が上がると思う。
美人も危険度が上がる。
大人しそうな人も危険度が上がる。
ナイスバディも危険度が上がる。
 
地域によっても道によっても時間帯によっても
危険度は常に基本設定値がある。
 
その設定値を読み取って
危険度の高い時間帯に動くのなら
服装で危険度を下げる、といった風に
総合危険度を、なるべく上げないようにしよう
これしかないんじゃないか?
 
露出を上げたら、男性と一緒に行動するとか
美人はマスクで、大人しそうなら派手な服装にする。
ナイスバディは案外隠しようがないんで
私のように顔をブサイクする、と。
 
ああ・・・、でも、マスク萌えとかいるらしいんだよー。
もうこうなりゃ、そういうヤツらが犯罪者にならないように
祈祷でもするしかねえよな。
 
 
とにかく女性が考えるべきなのは
危険度の計算と、回避法の工夫。
そして言いたくはないけど・・・、何かあった時の覚悟。
 
したい事をしたいのなら、相応の心構えも必要になる。
ある日突然、残酷な現実に出遭う事もあるのだから。
 
 
 
と、真面目に警告しながら、こういうアフィリを貼るから
説得力がなくなるんだと、いい加減思い知るべきかも知れない。
 
 

評価:

バンダイ


¥ 5,775

(2010-11-20)

コメント:何の因果かマッポの手先! 知ってる人はかなりの老齢。 忍び寄る影に向かって、放て、怒りのサイドシュート! ほとんどの武器は銃刀法違反になるので、苦しまぎれにこれをお勧め。 ヨーヨーしながら歩くババアには誰も近付かんだろ、という事でひとつ何とぞ。

亡き人 25

「霊がいる呪われた黒ずくめの部屋ぁ~~~~~。」
 
皆が引越しで忙しく働いている時に
何もする事がないゼロは、リビングの黒い家具から
顔半分を出して、荷物を運ぶ人々を威嚇していた。
 
「うわー、マジ、ヤな事しないでくださいよー。」
山口が本気で嫌がる。
 
 
同居のお陰で、太郎はほぼ毎日していたバイトを
半分にまで減らす事ができた。
 
家賃は1部屋占有だけなので、月2万という破格値だし
光熱費も “基本料金” という項目があるので
2人で分担する方がお得だし
大学の側なので、交通費は0になった。
 
余裕が出来た時間の半分は、遊びに回された。
学校の側という立地は、仲間のたまり場になるのである。
 
 
今宵も仲間が集まってドンチャンやっているところに
ゼロが来て、高らかに宣言した。
 
「おまえら若人に、『遊ぶな』 とは言わないけど
 何事も程々にせえよ。
 太郎が司法試験に落ちたら
 子々孫々祟ってやるからな!」
 
この言葉に、一同は悲鳴を上げた。
「長野、頑張れよ!」
「私たち、しょっちゅう来るけど
 気にしなくて良いのよ。」
 
太郎がキッと睨むと、ゼロは悪魔の笑みを浮かべた。
「ほっほっほ、若い者はたまには絞めにゃ暴走するしな。」
 
 
何気ない日々が過ぎて行った。
スピリチュアル・長崎の暴挙を
エリア・マネージャーに相談したら
系列会社の塾の事務へと、バイト先の変更を手配してくれた。
太郎に取っては、思いがけない出世である。
 
「ゼロさん、大事にしてあげなさいよ。」
エリア・マネージャーは、太郎の肩をポンポンと叩いた。
 
ゼロの除霊以来、エリア・マネージャーには
“男子好き” という疑いが掛けられていたので
太郎とも、これが最後の接触になるだろう。
 
ゼロさんに迷惑を掛けられたようなものなのに・・・
太郎は、エリア・マネージャーに申し訳なく思った。
 
 
引っ越しで浮かれ騒いでいた仲間たちも
いつもの落ち着きを取り戻し
学業にも精を出すようになったある日
太郎のところに石川がやってきた。
 
「ね、ちょっとゼロさんを呼び出してくれない?」
「ゼロさんに会いたいならマンションに来れば?」
「緊急なの、お願い!」
 
両手を合わせて頼む石川に、太郎はつい承諾した。
ゼロさん、呼び出しを嫌がるからなあ・・・
怒るだろうなあ・・・。
 
 
 続く。
 
 
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      亡き人 1 10.11.17  

娘の趣味

主婦は夫、子持ちは子供の話題をしょっちゅう出してきて
おめえんちの家族のたわいない話なぞ、どうでも良いよ
と、ウンザリする私は、だからこそか、孤独老人なんだが
結婚していた時も同様に思っていたので、単に性格が悪いだけであろう。
 
よって、こういう私の性格を知っている人は
余程の突飛もない面白い出来事でもない限り
家族の話はしてこないんだが
ある時、知人にふとこう言われた。
 
「うちの娘、あなたと気が合いそう、って言ってるのよ (笑)」
 
ん? どういうこった? と、興味を惹かれて訊いてみた。
「どこらへんが?」
 
 
この知人には以前に私が、家の趣味の品々を処分した、という話をした。
孤独死した場合、私の部屋を片付ける時に
関係者に更なるショックを与えたくないからである。
 
「妙な痕跡は残さんに限るよ。」
そう、“裏のヒト” ぶって語った記憶がある。
 
こんな薄汚い話を、家庭内で何で話題にするのか知らんが
とにかく、それを聞いた知人の娘が
「あしゅさんと気が合いそうー。」 と、言ったらしいのだ。
 
そんで、自分が死んだ場合も
部屋の整理はまったく関係ない業者に頼んで
と、お願いされたそうだ。
 
 
これを笑いながら話す知人だったが、私は笑えなかった。
娘はどういう物を持っているんだ? と問うたら
「さあ? よくわからないけど本かしら?」
 
もうここでピンと来たが、確認のため更に突っ込む。
その本はどんな本だ? 薄い冊子か?
娘は何か書いてたり描いてたりするか?
 
結果わかったのは、娘は読むだけらしいが
薄い本をいっぱい持っているらしい。
そして独身主義らしい。
 
私が、某RPGをやってる、と聞いた時も
「気が合いそうーーー!」 と喜んでいたそうな。
(だから何で私のそういう話を家族に言うかなあ)
 
ああ・・・、娘、腐女子だよ・・・、しかも二次元の・・・。
 
 
と言うか、私は腐ではない。
某RPGも知らずにやってから、その “真価” に気付いた。
 
別の意味では、充分に腐ってはいるが
そりゃ、色んなジャンルの本をチェックしてはいるが
ハマらず、素通りしているだけなのだ。
 
娘よ、私を仲間扱いすな! と思ったが
そういう趣味にも一応の理解はあるつもりなので
私的には一向に構わん。
 
だが、それを笑顔で語るこの母は、多分その正体を知らない。
娘が男性を見る度に、受け、攻め、など想像してるとは知るまい。
腐女子の脳内は、パラレルワールドらしいのに。
 
 
どのジャンルのどのレベルの腐かまでは
この母の話では推測できなかった。
 
こっちも、詳しい事を説明したくないし
第一、そんなにその世界についてよく知らない。
それに特殊趣味の人々は、理解されずに苦しむ事も多いだろうから
チクるような非道な事は出来んよ。
 
しかし、この母親は私の大事な知り合いである。
母娘の関係は良好そうだし、元々大らかな女性なので
用心しながらも、これだけは伝えておいた。
 
「おめえの娘は変態だぞ、後々ショックを受けんようにな。」
 
知人は大ウケして、爆笑していた。
ま、この分じゃ大丈夫だろう・・・か・・・?
 
 
にしても、娘、何でそっちの道に行ったんやら。
すんげえ真面目で勉強も出来る、可愛い良い娘なんだが。
 
リアル知人で腐っていうのも、初めて見たんで感慨深い。
 
 

評価:

キューブ


¥ 998

(2006-12-25)

コメント:“フィギュア” で検索したのに、これに魅せられた私は動物好きのとてもイイ人。 が、よく見ると、先っぽが何故ここに付けられたのか、邪推で夜も眠れず昼寝する。 レビューを書いた私の尊厳と、買ったあなたの人格を台無しにする逸品。

亡き人 26

「ほんま、怒るで、しかし!!!」
ワープの目まいに、ゼロがガラ悪く凄む。
 
「ごめん! ゼロさん、私が頼んだの。」
石川が両手を合わせて拝む。
「何か、石川が相談したいんだって。」
太郎の説明に、ゼロが ふーん と腕組みをした。
 
「こっち、こっち、人に聞かれたくないから。」
石川はゼロを教室の隅に連れて行った。
太郎は今から別教室で何かの作業らしい。
 
 
「で? 病気もらっちゃったか、デキちゃったか
 股かけられたか、フラレちゃったか、どれかな?」
ゼロのロマンのない言い草に、石川はギョッとした。
「何でわかるの? 恋愛相談だって事が。」
 
「多分、年増霊であるゼロさまには
 おめえが処女じゃない事もわかるぞお?」
「えっっっっっ!」
 
なっ何で? と焦る石川にゼロがふふんと笑う。
「男との距離感が微妙に違うと思わないか?
 処女と非処女。
 しかも非処女が近いわけじゃあない。
 岡山は、ありゃ処女だな。
 それも乙女系じゃなく、男いらねの鉄の処女だよね。」
 
ああ・・・、と、納得する石川。
「で、どれかな?」
 
「とりあえず、決定じゃないけど
 浮気されそうっぽくって・・・。」
 
 
「なあ、さっきっから隅っこで壁に向かって
 ひとりブツブツ言ってるあの女、何なの?」
 
当然、人々にはこう見えるわけで。
 
 
「で、今、彼はその女と学食にいるはずなのよ。
 何を喋っているか、ちょっと聞いてきてくれない?」
石川のお願いを、ゼロは即答で断った。
 
「イ・ヤ!」
 
「何で?」
叫ぶ石川に、ゼロが答えた。
「私は今から凄く忙しくなるんだよ。」
 
「・・・今って、何で?」
「それはな・・・、い ま  か   ら 」
ゼロがユラリと立ち上がった。
 
「おめえに説教するからだよーーーっっっ!!!」
 
ゼロがヌバーッと、石川に迫り
キャアアアアアアア と教室中に石川の悲鳴が響く。
 
 
石川の大学での立場は、これで揺るぎないものとなった。
イヤな方面の意味で。
 
 
 続く。
 
 
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      亡き人 1 10.11.17  

挨拶

周囲に誰が住んでいるのか、まったく知らない。
それは私が、人の名前と顔を覚えられないせいもあるけど
近所付き合いがない都会の集合住宅ならではである。
 
そんな中でも、敷地内で会った人には
必ず挨拶をするようにしている。
 
おはようございます こんにちは こんばんは
仏頂面の私には、微笑むのは中々難しいけど
相手に聞こえるように、大声で挨拶をする。
 
大抵の人は、ちょっと驚きつつも
挨拶を返してくれるのだけど、たまに無視をされる。
 
そんなヤツは、シャイな若者だけかと思いきや
イイ歳をしたサラリーマン風の人が
返事をしない事も多いので
おめえ、それで会社でやっていけとんのか
社会はどうなっとんのか、とちょっと恐ろしい。
 
多分、賃貸とか一生住むわけじゃないんで
近所など、どうでも良いんだろうけど
危険な場所が増えたら、それだけ住居地の選択肢も減るんだぞ。
 
賃貸集合住宅が建つのを、地元住民が反対する理由が
まさにそこだと、いくつになったらわかるんだ?
いっつも無視しやがるオヤジよお。
他のヤツと区別が付かんが、多分おめえ同一人物だろ?
 
 
昨日も無視をされて、ヘコんで帰ってきた。
まあ、相手は中高生男子だったので
挨拶なんて、というお年頃だとは思うんだけど
挨拶をしても無視をされると
自分が存在していないんじゃないか
という気分にさせられる。
 
孤独ババアには、たまらない仕打ちである。
特に私は精神的に弱いので
どんだけだよ? というぐらいにヘコむ。
 
だけど、挨拶は止めないぞ!
 
 
私が挨拶をするのには、訳がある。
ド田舎者の私から言わせれば、都会は人目がない!
 
はあ? こんだけ人がいて?
うん。
雑踏の中、おめえを見るヤツがいるか?
この人の群れの中、おめえの動向を気にするヤツがいるか?
 
たとえ今この交差点で、私が泣き叫んでも
誰も声を掛けてはくれないであろう。
それが都会の優しいベールなのだ。
だから私は都会が大好きなのだ。
 
だけど自分の住居内、となると話は違う。
他人お構いなし、の無法地帯になってほしくない。
 
良い意味でも悪い意味でも、近くに他人が存在してるんだよ
という事を忘れさせないために、私は挨拶をするのである。
 
 
私も “町内会” とか、うざい派だけど
すまん事を言うけど、関西に来て初めて
ご近所の目、ほんっと大事だな! とわかったよ。
 
かと言って、何事が起きてる時は注意もしにくい。
ドグラって逆切れするじゃん。
年寄りには、その一撃で寝たきり、とかあるんで
恐くて注意できんのだよ。

だから何事も、起きる前に牽制する。
起きにくいよう起きないように、もっていく。
今の時代は、これが大事だと思うんだ。
 
 
挨拶ババアなど、うざかろう。
だけど、それを 「うざい」 などと思うヤツは
犯罪者予備軍だと決め付けさせてもらうぜ。
“どうでもいい” って態度だろうけど
それが、逃げ隠れしたいように見える場合もあるんだ。
 
そんなヤツは、私の目の黒い内は好き勝手させない!
とか言いながら、次の瞬間には人の顔を忘れるんだが
私は私の住居の周囲を、なるべく安全に保ちたいんで
おはようおはよう叫んでいるわけだ。
 
 
挨拶、軽視してないか?
にっこり笑ってこんにちは、ってのは
付き合いではなく、監視のし合いだと思え。
 
歳を取ると、こういう事に聡くなるんだよな。
これも人生の経験値だと思う。
 
実録 年寄りは観察する!

【朗読】黒雪姫 3/42

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YouTube – 【朗読】黒雪姫 3/42

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黒雪姫 3 | 天使か?悪魔か?

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  • 深く積もった落ち葉の上をを歩く

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  • ガラス割れる音

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亡き人 27

「もうー、ゼロさん、今の驚いたよ、ひっどーい。
 何で私が説教されなきゃならないのよ?」
 
「それは、だ。」
ゼロは両手をリズミカルに動かしながら歌い始めた。
 
 
彼女がいるのに、他の女を狙うって?
そんな男、別れろYO
股かけている女と学食でデート?
そんな男、別れろYO
しかもデートが、学食ランチ?
そんな男、別れろYO
 
クネクネと踊りながら、途中
ボッボボンッと口でパーカッションを入れつつ喋る。
 
 
「ついついディスっちゃったぜー。
 私も、結構な芸達者だよね。」
 
飽きたのか、面倒くさくなったのか
急に素に戻すゼロ。
 
「てか、おめえも他の男と話すだろ
 あまつさえ、男 (チャラ男) のマンションにも出入りしてる。
 それを疑われるの、ウザくねえ?」
 
ゼロの言葉に、石川の表情が曇った。
「うん・・・、そうなんだけど
 彼は私のする事に、あまり干渉しないし。」
 
 
その言葉を聞いたゼロは、気まずそうに頭を掻いた。
「・・・ああ・・・、もう自分で答は出てるんだね?」
石川の目から涙がこぼれ落ちる。
 
「うん・・・、彼とは私から告って
 付き合ってもらってる、って感じで
 連絡もいつも私からで
 最近は何だかセフレでしかない感じで・・・。」
ボロボロと泣きながら、石川が途切れ途切れに喋る。
 
 
ちっ、しょうがねえ、とゼロは石川に言った。
「ちょっとここで、そのまま待ってろ。」
 
アルゼンチーン! で、太郎のところに行き、命令をする。
「石川が精神病院送りにされない内に
 えーと、あっ、あそこのヘンな壷を隠し持って
 さっきの教室に、すぐさま行って。」
 
「え? え? 何故そんな事に?」
「いいから、早く!」
 
 
教室に入った太郎は、即座にゼロの言葉の意味を理解した。
部屋の隅に向かって、ひとり号泣している石川の
周囲に遠巻きに人垣が出来ている。
 
ゼロから言われた通りに、太郎は動いた。
隠し持っていた壷を、ソッと部屋の隅に置き
石川に何事かを耳打ちする。
 
 
石川がハッと我に返り、振り返ると
離れたところから自分を見つめる無数の目があった。
 
「ちっ違うの、ごめん!」
石川は慌てて否定した。
 
「ここにある壷に向かって、願い事を唱えると叶う
 って伝説を聞いて。
 真剣に願えば願うほど、届くって言うから
 うち、ちょっとお祖母ちゃんの具合が悪くて。」
どこの家のジジババも、何回かずつは殺されているものだ。
 
 
幸い、皆はその嘘を信じ込んだ。
が、その日以来、祈願者が耐えない教室になってしまった。
 
「ふっ・・・、またひとつ伝説を作ってやったぜ。」
勝ち誇るゼロを、太郎がいさめる。
「捏造ですからね、その伝説。」
 
「伝説ってのは、そういうもんよ。」
「・・・あまり調子に乗らないようにしてくださいね。」
太郎はゼロに、メッとした。
 
 
「なあ、何かおまえら、ラブラブじゃね?」
横から口を挟んできた山口に、ゼロが舌打ちをする。
 
「これだから、邪念だらけのチャラ男は・・・。
 これはラブじゃなくて、愛なの!
 わかってないなあ、チャラ男はあーーー。」
 
「ぼくだってわかりませんよ・・・。」
こっそりつぶやく太郎だった。
 
 
 続く。
 
 
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